中小企業によく見られる労使協定の不備について

労使協定の不備についてお話しさせていただきます。

 

まず従業員代表の選出についてです。まず、従業員代表選出する場合、管理監督者の選出は不可となっています。一方で従業員数にはカウントされます。

 

次に労使協定の締結等を行う者を選出します。次に労使協定の締結等を行う者を選出することを明らかにして投票,挙手等の方法による手続きを選出する必要があります。

 

また従業員代表者については任期制は認められないと言う見解が有力です。実際の実務では例えば任期1年と言う形で実際にそれで通っている例も多いかと思います。他方学説では任期制は認められないと言う見解が有力です。

 

従業員代表の選出を適法にやっていなかったらどうなるのかについてお話しさせていただきます。

この場合労使協定は無効となります。

労使協定が無効になったらどうなるでしょうか。例えば,時間外労働させたであるとかそういった部分において、残業代等の賃金が出てきますが,それとは別に,刑罰と言う問題も出てきてしまいます。

従業員代表が適正に選ばれていなかった場合,36協定が無効になりそれは適法に時間外労働させていなかったと言うことになってしまい,送検であるとかそういった話も出てきてしまいます。

 

もちろん初期段階では送検と言う所までいかないことも多いですが,例えば変形労働であるとか事業外労働において,みなし残業時間を9時間にするといった労使協定を結んでいる場合に,その労使協定が無効になってしまうと,そういった制度まで無効になってしまいます。

そうなると,残業代未払い残業代の計算をするに際して,みなし残業を全く考慮しない,実労働時間で計算するという問題が起きてくることになります。

 

また,1番気をつけなければならないのは派遣法の問題です。

派遣法が改正されたことにより事業所単位の期間制限と個人との期間制限と言う形の2つの考え方になりました。

事業単位の派遣期間は3年です。一方で,3年になる1か月前までの間に,従業員代表の方の意見を聞けば,もう3年間伸ばせると言う形になっています。

しかしながら,労働者代表の選出手続きが適正なされていないと,従業員代表からの意見を聞いたことにはなりません。そうなると,3年を超えて派遣を受け入れていると,派遣法の間制限かかることになり,労働契約みなしの申込制度の適用対象になります(派遣労働法のより詳しい解説についてはこちら)。

 

従業員代表の選任の手続きが徹底されていないことによって、労働社員の派遣期間3年間の1ヵ月前までに意見を聞いたにもかかわらず,それが無効だと言うことになると,その後も派遣社員の方を受け入れ続けていると,労働契約の申し込みなしと言うことになり,その派遣社員の直接雇用しなければならないと言う問題にまで拡大する可能性があります。

 

皆様の企業に置かれても今一度,従業員代表をどういう風に選任しているのかという点についてぜひ確認していただければと思います

労使協定はこれからもおそらく大きな問題になってくると思われますのでぜひ留意していただければと思います。

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